新型コロナウイルスの影響で債務の返済が困難になった方へ

新型コロナウイルスの影響で債務の返済が困難になった方へ

新型コロナウイルスによる失業・減収などにより、債務の返済が困難になった場合、特別な方法により債務整理を行うことができます。これは、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナに適用する場合の特則によるものです。

この制度を使うと、

①住宅を手放すことなく住宅ローン以外の債務の免除・減額などを行える

②個人信用情報(いわゆるブラックリスト)に登録されない

③専門家の支援を無料で受けられる

といったメリットがあります。

この手続きは、あくまでも債務者ご本人に書類作成や必要書類を収集していただくものですので、弁護士に依頼して行う通常の債務整理と比べると、ご本人の手間暇の負担はあります。しかしながら、上記のとおり大きなメリットがあります。また、分からないことがあれば1つ1つ弁護士の助言を受けながら進めることができますので、安心です。

ぜひ、新型コロナの影響で借金の返済等が困難になり債務整理をお考えの方は、この制度を利用することを検討されてみてはいかがでしょうか。


この制度を利用できる要件は以下のとおりです

※新型コロナ以外の理由により返済困難となった方は、この制度を利用できません。

  • 対象債務

・2020年2月1日以前に負担していた既往債務

・2020年2月2日以降、2020年10月30日までに新型コロナの影響による収入や売上等の減少に対応することを主な目的としてうけた貸付け等に起因する債務

  • 債務の免除には

①一定の要件(債務者の財産やコロナ影響前後の収入等、家計の状況等を総合的に判断する)を満たすこと

②ローンの借入先の同意

③簡易裁判所の特定調停手続きを利用すること

が必要になります。


手続きの流れ

1.もっとも借入額の多い金融機関等へ、ガイドラインの手続き利用を希望することを申し出てください。

2.金融機関等から同意が得られたら、地元の弁護士会を通じて、「登録支援専門家」(弁護士)による手続支援を依頼する。

3.弁護士の支援を受けながら、金融機関等に債務整理を申し出て、必要書類を作成し、提出します。

4.弁護士の支援を受けながら、金融機関と協議をして、債務整理の内容を盛り込んだ書類(調停条項案)を作成します。

5.弁護士を経由して、金融機関に調停条項案を提出します。

6.債務整理の対象とするすべての借入先から同意を得られれば、簡易裁判所へ特定調停を申し立てます(※このときの申立費用は債務者本人の負担となります)。

7.特定調停により調停条項が確定すれば、債務整理成立です。

まずは、もっとも借入額の多い金融機関へ申し出を!

詳しい要件や手続等については、以下のホームページをご覧ください。

新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則について | 一般社団法人自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関 (dgl.or.jp)

 

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